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  <title>FFXI くりえいしょん</title>  
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  <modified>2010-10-21T14:58:26+09:00</modified>  
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    <name>yuo-yuon</name>
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  <tagline>***「カテゴリ」がメニューです*** 一話目の方から読むには「目次」からどうぞ('∇')</tagline>  
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    <title>むかしがたり　～戦乱の頃～　　2</title>  
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    <issued>2010-10-21T11:42:32+09:00</issued>  
    <modified>2010-10-21T14:58:26+09:00</modified>  
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    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>FFXI　短編</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
攻めてきたのは神威布教団。<br/>
一閃のモー・オジ率いる侍ヤグードの部隊だった。<br/>
ヤグードは夜目がきかないと言うが、<br/>
東方の武術の修練で研ぎ澄まされた感覚により<br/>
神威布教団のヤグード達は夜間の戦闘に<br/>
さほど不自由は感じていないように見えた。<br/>
拠点に辿りついたヤグード達は手にしていた松明を投げた。<br/>
荒れたメリファトの大地にわずかばかり育っていた草花にも火が移る。<br/>
拠点は点々とした灯りに微かに照らされた。<br/>
<br/>
手薄な拠点の防衛戦はヤグード相手とはいえ、<br/>
不利な闘いであることは明らかだ。<br/>
しかし、ミスラ達の士気は高かった。<br/>
山豹義勇団の団長ミケの声が響いた。<br/>
「にぁぁ～！ミケ様に続くにぁ～！」<br/>
「にゃぁ～！」<br/>
侍や忍者を相手にミスラ達は片手棍で立ち向かっていく。<br/>
他の各国から集った者たちもそれぞれミスラ達を援護しながら<br/>
戦いに参加していった。<br/>
<br/>
ジエイはしかし、心躍っていた。<br/>
一閃のモー・オジがそこにいる。<br/>
脇立（わきだて）と白熊（はぐま）をあしらった角兜と<br/>
緋色の派手な大袖を纏ったその巨躯は、探さずとも目に飛び込んできた。<br/>
対戦を待ち焦がれた相手である。<br/>
手下クラスのヤグード達をかいくぐりながら、<br/>
徐々にモー・オジへと近づいて行った。<br/>
ふと、アミの声が聞こえた。<br/>
「だめにゃ！隊長に１人で立ち向かっても無理にゃ！」<br/>
ジエイは気にも留めなかった。<br/>
このために、ここで待ったのだ。<br/>
拠点の防衛も、仲間との連携も最早自分には何の関係もない。<br/>
<br/>
ジエイはモー・オジの正面に立った。<br/>
「一閃のモー・オジか？」<br/>
モー・オジが刀の切っ先をジエイに向けて構えた。<br/>
「聞いてどうする、人間よ。」<br/>
「手合わせの時を待っていた！」<br/>
ジエイも刀身を体に寄せて構えた。<br/>
「笑止。」<br/>
それだけ言うと、モー・オジは刀を振るった。<br/>
あたりに突風が舞う。<br/>
風圧と共に恐ろしいほどの闘気が体を貫き、動きをとめられる。<br/>
「くっ…！」<br/>
うわさには聞いていたが、雑魚の草払いとはわけが違う。<br/>
気を抜けばそれだけで倒れてしまいそうな気を感じた。<br/>
自らの気合いでそれを撥ね退け、モー・オジに切りかかろうとするも<br/>
立て続けに草払いを繰り出され、<br/>
ジエイはじりじりと体力を削がれていった。<br/>
「これが…モー・オジか…。」<br/>
<br/>
ジエイがモー・オジと対峙している間にも戦況は動いていた。<br/>
ヤグード達の急襲は瞬く間に成功を納めようとしている。<br/>
大事なものは自分の命だからと、さっさと拠点を見放す者もいた。<br/>
いつもは強気な団長ミケにも、明らかに不利な戦いであることが<br/>
すぐに理解できた。<br/>
「てっ…撤収にぁ！今は生きて戻るにぁ！」<br/>
<br/>
その声を聞いても、背後にヤグード達の殺気を感じるジエイは<br/>
完全に退路も絶たれていた。<br/>
ヤグード達が自分に切りかかってこないのは、<br/>
迂闊にモー・オジの間合いに入って<br/>
無駄に巻き込まれないためなのだろう。<br/>
いや、むしろ退く気などなかった。<br/>
１人無謀な戦いをモー・オジに挑んだのだから、<br/>
切り刻まれて終わることを望む。<br/>
拠点の防衛も考えない愚か者と後ろ指を指される惨めな生はいらない。<br/>
しかしモー・オジを相手に、じりじりとダメージを重ねていく自分に<br/>
ジエイはその力の差を絶望的に理解した。<br/>
死を覚悟しながら、せめて一太刀と、<br/>
ジエイは咆哮しながらモー・オジに突進した。<br/>
「おおおおおおお！」<br/>
<br/>
その時だ。<br/>
ジエイの横に並んでモー・オジに突っ込む誰かを感じた。<br/>
目にもとまらぬ速さで拳を打ち込む、百烈拳が<br/>
わずかにモー・オジに隙を作った。<br/>
ジエイはそれを見逃さず、モー・オジのわき腹目がけ<br/>
刀を振り抜いた。<br/>
「人間めが！」<br/>
ジエイの一太刀は確かにモー・オジにダメージを与えたが、<br/>
それは致命傷には至らなかった。<br/>
<br/>
百烈拳の雨のような打撃の僅かな間隙を縫って<br/>
モー・オジは疾風のごとく剣を振るった。<br/>
草払い！<br/>
分かっていても、体が動かない。<br/>
その時ジエイの目に映ったのは、<br/>
モー・オジの目の前にいるアミの姿だった。<br/>
思わずジエイは叫んだ。<br/>
「にげろ！」<br/>
もう逃げることなどできないだろう。<br/>
分かっていても、ジエイはそう叫ぶしかなかった。<br/>
一瞬アミはジエイにほほ笑んだ気がした。<br/>
何かを言うように唇が動いていた。<br/>
しかし<br/>
次の瞬間、アミの体はモー・オジの刀で二つに裂かれ<br/>
地面に落ちた。<br/>
<br/>
「うああああああああ！」<br/>
人のことなどどうでもよかったはずだ。<br/>
なのにジエイは自分でも気がつかないうちに<br/>
絶叫していた。<br/>
と、ジエイは振り返り、モー・オジではなく<br/>
戦闘をしながら退却していく戦闘のさなかに突っ込んでいき<br/>
敵味方構わず切りつけていった。<br/>
モー・オジはそんなジエイを、その背後から左肩を貫いた。<br/>
「ぐぅぅっ！」<br/>
肩を深々と貫いたままモー・オジはジエイに問いかけた。<br/>
「何をしている。お前の敵は誰だ？」<br/>
「おれの…弱さだ…。」<br/>
モー・オジはくくっと笑った。<br/>
「人間よ、おもしろい。気にいったぞ。」<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
神威布教団は拠点を占拠した。<br/>
拠点にいた多くの者が、この急襲で命を落とした。<br/>
後に兵力をつぎ込み拠点を取り戻した時<br/>
その亡骸が収容されたが、その中にジエイの姿はなかった。
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>コメント投稿を認証制にしました</title>  
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    <issued>2009-10-22T10:32:44+09:00</issued>  
    <modified>2009-10-22T10:32:44+09:00</modified>  
    <created>2009-10-22T10:32:44+09:00</created>  
    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>お知らせ</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
ひっそりと存在しているｗブログなので<br/>
今まで変なリンクを貼られたことがなかったのですが<br/>
ここ数カ月で何件か貼られていましたので<br/>
コメント投稿を認証制に変えさせて頂きました。<br/>
ほとんど更新もないため、<br/>
大勢に影響はないとは思いますが(/ω＼)<br/>
よろしくお願いいたします。<br/>
<br/>
え？お知らせよりも続き？<br/>
<br/>
あ～・・・滞ってますね(爆)<br/>
でも、このまま中断するつもりはないので<br/>
（そうだったのかｗ）<br/>
気長にお待ちくださいませ(-人-)
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>むかしがたり　～戦乱の頃～　　１</title>  
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    <id>http://yuon.exblog.jp/8493358/</id>  
    <issued>2008-03-21T18:38:39+09:00</issued>  
    <modified>2008-03-21T18:50:54+09:00</modified>  
    <created>2008-03-21T18:38:39+09:00</created>  
    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>FFXI　短編</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
後に水晶大戦と呼ばれた時代の頃。<br/>
今も戦いに命を落とす者は多いが、<br/>
この時代では比べものにならない程の命が儚く散っていった。<br/>
冒険者達は旅の中で出会う人々の口から<br/>
または冒険する先々で、その物語の片鱗を見聞することになる。<br/>
だから、冒険者はその傷に気づかなければならない。<br/>
中には憎まれながらも気づかれずに<br/>
そっと生涯を終わらせたいと願う者もいるのだが・・・。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
バストゥークで生まれ育ったヒュームであるJieiは好戦的な若者だった。<br/>
黒い髪を短く切りそろえた、目つきの鋭い若者だった。<br/>
その名には慈影という漢字が与えられていたが、<br/>
自分には慈しむ心など何処にもないのに、と嘲笑っていた。<br/>
戦乱の世であるからこそ、ジエイは力を欲した。<br/>
そして相手を完膚無きまでに討ちふせる術を持つのは<br/>
侍に他ならないと、剣の道の修行に明け暮れた。<br/>
そして弱さや妥協を許さない性格から、<br/>
いつしか一匹狼的な存在になっていた。<br/>
ジエイ自身、群れるよりは自らの思うように動ける、<br/>
その状態は嫌いではなかった。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
腕が上がれば、戦場に赴くことも増えていく。<br/>
失敗を重ねながらも、戦術を体得し<br/>
やがて自分の強さを自分でも実感するようになる。<br/>
国を愛するジエイは共和国軍に属しながら、<br/>
自国の周辺の防衛戦等に参加していた。<br/>
そんなある日、各国の戦況にまぎれて<br/>
遠くウィンダスの守る地域に剣術に長けたヤグードが<br/>
神出鬼没に各エリアに出没しては、<br/>
ウィンダス連合軍を苦しめているとの噂を耳にした。<br/>
その名はMoo Ouzi the Swiftblade。<br/>
一閃のモー・オジとの異名がついていた。<br/>
ジエイはふと、このヤグードと戦ってみたくなった。<br/>
<br/>
自国を守る使命感よりも、<br/>
すでに心はより強い者との戦いに支配されていた。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
ジエイはメリファト山地の防衛戦に参加しながら<br/>
モー・オジとの遭遇を待っていた。<br/>
メリファトにはミケ団長率いる山豹義勇団が駐留している。<br/>
ミスラの集団だった。<br/>
ガルカとヒュームに見慣れていたジエイにとって<br/>
この人と猫の中間のような容姿のミスラの集団は<br/>
視界に入るだけでも気に障った。<br/>
戦場に女の力など役に立つのか、と。<br/>
しかし戦闘を重ねるごとに、その好戦的な性格は<br/>
残忍ともいえるほど戦闘向きであり、<br/>
むしろ生半可な覚悟しか持たないヒュームの男より<br/>
余程戦場に必要であることが分かった。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
しかしどこにでも落ちこぼれはいるもので、<br/>
いつも危なっかしい戦闘をしているミスラのモンクがいた。<br/>
メリファトの拠点を攻めるヤグード団の長は<br/>
次々にサソリを呼び寄せる獣使いであり、戦士でもある。<br/>
ヤグードの戦士との一騎打ちに夢中になっている、<br/>
茶色い髪を振り乱して戦うそのミスラは<br/>
近くにサソリがいようがお構いなしだった。<br/>
その日も大暴れするサソリから大きなダメージを受け、<br/>
戦っているヤグードから致命的な一撃を<br/>
浴びようとしていた。<br/>
「・・・・やっかいな・・・！」<br/>
視界に入った以上見過ごすことはできない。<br/>
ジエイは、そのミスラの相手に鋭い一撃を浴びせた。<br/>
「八之太刀・月光！」<br/>
ヤグード戦士はばったりと倒れた。<br/>
「あ・・・ありがとにゃ！」<br/>
「礼はいらん！一人でも欠けると戦況はそれだけ不利になる！」<br/>
そういうと、ジエイは次の敵めがけ駆けていった。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
ヤグードは夜目がきかないため、<br/>
日が暮れると、拠点からはほとんどの者が国に戻る。<br/>
山の夜は春という季節でも風は冷たく、<br/>
常駐する者と見張りの義勇団員がちらほらと残っているだけになる。<br/>
ジエイは刀を鞘に収めたまま、腰から抜き<br/>
肩に立てかけて拠点の塔の後ろ側にもたれかかり<br/>
仮眠を取ろうと目を閉じていた。<br/>
近くで声がした。<br/>
「ごはん、いらにゃいかな？」<br/>
自分への問いかけと思わず、ジエイは身動きひとつしない。<br/>
寝てるのかと思った、その声の主はジエイの肩をぽんっと叩いた。<br/>
反射的にジエイは飛び起き、刀を抜き相手に突きつけた！<br/>
<br/>
ふとよく見ると、<br/>
その視線の先には食事を持ったミスラが<br/>
目をまんまるにして立っていた。<br/>
そのミスラは刀を突きつけられながらも、<br/>
恐れている様子は見えず驚きながらも怒ったような顔をしていた。<br/>
「ちょっと肩たたいただけなのにひどいにゃ！」<br/>
ジエイは刀を鞘に収めながら言った。<br/>
「いきなり触るほうが悪い。」<br/>
「だって・・名前知らないにゃ・・・」<br/>
「何の用だ。」<br/>
ミスラは怒って地団駄を踏んだ。<br/>
「いいから！名前が先にゃ！」<br/>
面倒な奴だ、とジエイは思った。<br/>
「ジエイ」<br/>
「にゃ。」<br/>
そのミスラはにっこりと笑った。<br/>
「で、何の用だ。」<br/>
ミスラはまた地団駄を踏んだ。<br/>
「普通こっちの名前も聞くもんにゃー！」<br/>
「興味ない。用は・・・」<br/>
と言いかけたジエイの言葉を遮るように<br/>
「名前を聞くもんにゃーーーー!!」<br/>
とミスラは叫んだ。<br/>
<br/>
近くにいた者達がこちらを振り返って見ている。<br/>
これ以上相手にしたくないが、仕方なくジエイは聞いた。<br/>
「・・・名は・・・」<br/>
ミスラはまたにっこりと笑った。<br/>
「Ami」<br/>
「で、何の用だ」<br/>
アミはまたちょっとぷーっと怒ったような顔になった。<br/>
「用、用って、他に聞きたいことないのかにゃ。」<br/>
「お前こそ俺の質問に答えていない。」<br/>
「お前じゃないにゃ～！名前教えたにゃ～！」<br/>
ジエイは国に帰りたくなった。<br/>
「お前なら知っている。昼に死に掛けてた奴だろう。」<br/>
「な～んだ、アミのこと覚えてるにゃ。」<br/>
「だから何の用だと言っている。」<br/>
アミはにっこりしながら、手にもっている串焼とおにぎりを差し出した。<br/>
「ごはん、食べないかにゃ？」<br/>
ジエイはその場にまた座りなおして言った。<br/>
「食事は必要なときにとっている。」<br/>
アミは目の前にぺたんと座って、なおも食事を差し出している。<br/>
「アミが作ったにゃ。うまいのにゃ。」<br/>
「礼のつもりならいらん。」<br/>
<br/>
そのやりとりを近くで見ていたのであろう、<br/>
銀髪のエルヴァーンがアミに声をかけた。<br/>
「お嬢さん、そんな変わり者にもったいないですよ。<br/>
　あちらで私とお話しませんか？」<br/>
アミはエルヴァーンのほうを見ると、にっこりと笑って言った。<br/>
「おかまいなくにゃ～。」<br/>
エルヴァーンはやれやれというように首をふり、<br/>
にこやかにその場を離れていった。<br/>
<br/>
ジエイはぶっきらぼうにアミの手から<br/>
串焼とおにぎりを奪うように受け取ると、がつがつと平らげた。<br/>
アミはその様子をニコニコと見ていた。<br/>
「うまいかにゃ？うまかったかにゃ？」<br/>
「肉は少し焼きすぎだ。握り飯も少々かたい。」<br/>
「ひどいにゃ～！普通うまいっていうもんにゃ～！」<br/>
アミは両手をぶんぶんさせて怒った。<br/>
「お前・・」<br/>
「アミにゃ！」<br/>
「お前変な奴だな。」<br/>
「変な奴に変っていわれたくないにゃ。」<br/>
「俺は戦いに来ているんだ。他の奴に興味は無い。<br/>
　それだけだ。」<br/>
「でも、アミのこと見てて助けたにゃ。」<br/>
「見てたわけではない。見えただけだ。」<br/>
「それでも・・・アミはこうして生きていられるのにゃ。」<br/>
アミは一瞬真剣な眼をした。<br/>
そしてすくっと立ち上がった。<br/>
「ごはんはおいしく食べるもんにゃ。<br/>
　必要だから食べてる、じゃ栄養にならないにゃ。<br/>
　次はおいしいって言わせるにゃ！」<br/>
そう言い残すと、ジエイに軽く手をふり<br/>
義勇団の仲間のところに戻っていった。<br/>
<br/>
夜が深け、拠点が静かさに包まれようとした頃<br/>
遠くからミスラの声が大きく響いた。<br/>
「てっ・・・敵襲！！皆おきろーー！」<br/>
その声にジエイは跳ね起きた。<br/>
遠くからたくさんの松明の明かりがこちらに向かってきていた。<br/>
「ヤグードが夜襲だとっ・・・防ぎきるか？」<br/>
手薄だった拠点には緊張が走った。<br/>
<br/>
<br/>

        ]]></content> 
  </entry>  
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    <title>はじめての冒険</title>  
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://yuon.exblog.jp/6523310/"/>  
    <id>http://yuon.exblog.jp/6523310/</id>  
    <issued>2007-07-19T12:54:27+09:00</issued>  
    <modified>2007-07-19T12:59:18+09:00</modified>  
    <created>2007-07-19T12:54:27+09:00</created>  
    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメヴァナ外伝</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
マウラの初夏の風に吹かれて<br/>
船が来るのを待っているミスラの女の子は<br/>
大きさから言うとまだ魔法学校に通うぐらいの年に見えた。<br/>
でも、その子は他のミスラの子供が着ているような<br/>
膝下までのスカートははいていなかった。<br/>
ぺったんこの胸には白いチューブトップが<br/>
大き目の腹巻のように巻きついている。<br/>
その上から襟のない緑色のベストと<br/>
そのベストとお揃いの緑色の膝下までの長さのスパッツをはいていた。<br/>
一目でシーフのアーティファクトを真似たものだと分かる。<br/>
余程腕のいい裁縫職人が<br/>
彼女のために作ってくれたような服装だった。<br/>
<br/>
「ママなんか・・・」<br/>
ミスラの女の子は海を見つめながらぽつんと呟いた。<br/>
何かを思い出して悲しくなったのか、<br/>
目の端に涙の粒がじんわりとふくらんでいる。<br/>
「あたしだってもう大丈夫だにゃ・・・・もん！」<br/>
<br/>
ふと、ママの言葉が頭をよぎる。<br/>
「にゃーにゃー赤ちゃん言葉も抜けないやつを連れて行くわけにはいかないよ！」<br/>
「コティ、もうあかちゃんじゃないにゃ・・・・もん！」<br/>
「ほら、だめだめ。」<br/>
「コティも行くー！ママと行くー！」<br/>
「冒険者ってのはな、それなりの腕がないと危険なんだよ！」<br/>
「大丈夫、コティちゃんと修行してるにゃ！<br/>
　それにママ、<br/>
　コティ、もうそこいらの新米冒険者のタルタルよりつぉいにゃー！」<br/>
コティが夢中になるほど、ママに言われた赤ちゃん言葉がつい口に出てしまう。<br/>
そんなコティをママは厳しく見つめ返した。<br/>
「だめったらだめ！<br/>
　ママが認める腕前になるまでは遠くへ行ってはダメ!!」<br/>
「コティだって、じゅのとかあとるがんとか遠くのお国に<br/>
　い　き　た　い　にゃーーーー!!!」<br/>
<br/>
<br/>
そう、コティは戦闘に出かけようとするママについていこうとして<br/>
思いっきりダメ出しされたのだ。<br/>
で、<br/>
ママより先に家出してやったのだ。<br/>
大人と同じような格好をして、<br/>
といってもママのお友達の裁縫職人さんに<br/>
お誕生日に特別に作ってもらった大事な一張羅を着込んで、<br/>
密かに貯めていたお金でチョコボに乗ってマウラまで来たのだ。<br/>
<br/>
あたしにだってこれぐらいのところまでなんて簡単に来られるんだから！<br/>
ぷるぷると涙の粒を振り払うように、左右におもいっきり顔をふると<br/>
今度は少し怒ったような顔になる。<br/>
「コティだって、あとるがんまで行ってやるんだから！」<br/>
そう心に決めて、船に乗り込んだ。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
だけど、この船ったら釣り客とのんびりした冒険者しか乗ってない。<br/>
コティは恐る恐る船室の近くの売店の店員さんに聞いてみた。<br/>
「あの～、この船って・・・どこ行くにゃ？」<br/>
ママがいないから、もう別に言葉を気になんかしていない。<br/>
「え？セルビナ行きだけど？」<br/>
「え？せるびないき？」<br/>
「そうだよ。」<br/>
「え～～～。」<br/>
「いや、え～～って言われても・・。」<br/>
「だって、だって、あとるがん行きたかったにゃ～～！」<br/>
「それなら一便待たなきゃだめだったんだよ。<br/>
　セルビナに着いたら、またマウラに戻って、<br/>
　そしてちゃんと確認して・・・って、お父さんかお母さんは一緒じゃないの？」<br/>
「あたし、子供じゃないにゃ！冒険者にゃ！」<br/>
コティはほっぺをぷーっと膨らますと、<br/>
階段を上ってデッキのほうへすたすたと歩き始めた。<br/>
階段の下から心配そうな声がする。<br/>
「今日は海にいやな霧が出ているよ！船室で大人しくしてな！」<br/>
<br/>
失礼しちゃう。<br/>
たにんまでコティのことをこどもあつかいしてるにゃ。<br/>
デッキには数人の釣りを楽しむ冒険者と、<br/>
どこからか這い登ってきたのかクラブがとことこと歩いている。<br/>
クラブは誰かが海に流した青銅の箱を、その甲羅の中に隠し持つ性質があるって<br/>
ママに聞いたことがある。<br/>
試しに一匹倒してみようか、コティだってそのぐらい・・・<br/>
と、クラブを見つめていると、ふとクラブと目があった・・・気がした。<br/>
はさみをシャキンシャキンさせて、コティを威嚇してる。<br/>
なまいきなクラブだにゃ～～～！<br/>
<br/>
その時、釣りを楽しむ魔道士風のタルタルがコティに声をかける。<br/>
茶色いぼさぼさの頭のタルタルだ。<br/>
ママのお友達にも似たようなタルタルがいたっけ。<br/>
「きみ、カニと戯れるのはいいけど、どうも今日は天気が怪しい。」<br/>
「たわむるれるれてなんかないにゃ。」<br/>
知らない言葉で話しかけられ、思わず噛んだ。<br/>
とりあえずばかにされている気がしたので否定してみる。<br/>
釣りタル（心の中でそう呼んだ）は、しかし茶化すふうでもなく真面目に続けた。<br/>
「このどんどん濃くなる霧は・・・来るよ？」<br/>
「来る？・・・・のにゃ？」<br/>
「うむ。」<br/>
釣りタルは魚がかかったのか、竿を持つ手を懸命にあやつりはじめた。<br/>
そして、釣りタルと同じぐらい大きなググリュートゥーナを釣り上げ、<br/>
釣り針から外しながら言った。<br/>
「ほうら、聞こえてきた。」<br/>
コティはぴくぴくと耳をすませた。<br/>
霧の向こうから、どーんどーんと重い大砲の音が聞こえる。<br/>
<br/>
<br/>
「かっ。。。海賊にゃ！」<br/>
コティの全身の毛がぶわっと逆立った。<br/>
「早く船室に戻って、乗務員に知らせて。中で静かにしていたら大丈夫だから。」<br/>
「お・・・おにいちゃんはどうするにゃ？」<br/>
「いや・・ぼくは海賊なんて平気だから釣りを続けるよ。」<br/>
「あっ・・・あたしだって平気だにゃ！あたしだって平気だにゃ！」<br/>
「いや、無理すると死んじゃうよ？ここは安全にやりすごしなよ。」<br/>
「あたし、強いから大丈夫にゃ！」<br/>
強がってみせても、コティの声は微かに震えていた。<br/>
「やれやれ、仕方ないなぁ。」<br/>
釣りタルは釣りを止めて、周りの釣り人に声を掛ける。<br/>
「みんな！海賊が来たら撃退よろしく！」<br/>
どうやら釣りを楽しんでいた人々は皆仲間だったようだ。<br/>
二人のやりとりを聞いていたらしく、それぞれに了解の返事をかえす。<br/>
<br/>
強がってみせたけど、実際コティはママと一緒なら<br/>
やっとタロンギの谷まで狩りに行けるぐらいの腕前。<br/>
御伽噺の世界のことのように思っていた海賊が本当に来るなんて・・・。<br/>
夜遅くに西サルタバルタの星降る丘に出かけたときのことを思い出した。<br/>
一人じゃなかったからよかったけど、<br/>
うろうろと歩き回るガイコツを初めて見たときは、<br/>
体中から温度が吸い取られていく気がした。<br/>
<br/>
<br/>
近づいてくる海賊船に、コティは目を丸くした。<br/>
あのいっぴきでもこわいガイコツがうじゃうじゃのっている。<br/>
歯をカチカチと鳴らしながら、こちらを見ている。<br/>
皆自分を狙っている気がした。<br/>
コティは泣きそうになった。<br/>
船に乗ってから、初めて本当に怖いと思った。<br/>
そんなコティの肩を後ろからそっとタルタルのおねえさんが抱きしめてくれた。<br/>
「大丈夫よ。私たちから離れないでね。」<br/>
「だっ・・・だだだいじょうぶにゃ・・・っ。」<br/>
一応コティも持っていた短剣を構える。<br/>
海賊船が船に横付けされ、手馴れた様子でガイコツ達が大きな板をデッキに渡す。<br/>
そこから、がちゃがちゃと海賊達は船に乗り込んできた。<br/>
<br/>
釣りタルのおにいちゃんは、黒魔道士だったようだ。<br/>
長い杖を振り回しながら、大きな炎であっという間にガイコツ達を焼き尽くす。<br/>
でっかいガルカのおにいちゃんはばきばきとガイコツ達を拳で砕いていく。<br/>
剣を華麗にあやつるヒュームのおにいちゃんや、<br/>
棍棒で荒々しく殴りかかるミスラのおねえちゃん。<br/>
コティは目の前の戦闘をただ見つめていた。<br/>
そのうち、こんなに強いおにいちゃんやおねえちゃんと一緒だから、と<br/>
コティは安全な気がしてきた。<br/>
炎に焼かれ、崩れ落ちていくガイコツのほうにするするっと<br/>
短剣を構えたまま近づいた。<br/>
あたしも、このガイコツなら勝てるにゃ！<br/>
そのコティを見つけると、皆が真っ青になった。<br/>
釣りタルが叫んだ。<br/>
「だめだ！まだ死んでない！！」<br/>
「え？」<br/>
と、振り下ろす短剣の先を見ると、炎に包まれたガイコツが<br/>
コティに大きな鎌を振り下ろそうとしていた！<br/>
恐怖にコティは声も出なかった。<br/>
目をつぶることも出来ずに、目の前の炎を纏ったガイコツが振り下ろす、<br/>
赤く焼け爛れた鎌が目に映っていた。<br/>
<br/>
コティは体がふわりと浮かんだような気がした。<br/>
なんだか懐かしい匂いもする。<br/>
一瞬で死ぬって、こういうことなのかなとコティは思った。<br/>
ごめんなさい、ママ・・・<br/>
<br/>
<br/>
しかし、崩れ落ちたのは目の前のガイコツだった。<br/>
コティはしっかりと抱きかかえられ、<br/>
コティを助けた者にガイコツは止めの一撃を食らっていた。<br/>
釣りタル達はほっと胸をなでおろした。<br/>
「危なかった・・・。」<br/>
しばらくガイコツ達の相手をしていると、<br/>
海賊船から渡された板はするすると収納された。<br/>
口惜しそうなうめき声を残しながら海賊船は遠ざかり、<br/>
デッキに散らばった骨の残骸もいつの間にか跡形もなくすーっと消えていった。<br/>
釣りタルはコティを助けた忍者装束に身を包んだヒュームにお礼を言った。<br/>
「いやぁ、本当に危ないとこだった。ありがとう。」<br/>
すると、コティを抱きかかえたヒュームはにっこりと微笑んで軽くお辞儀をした。<br/>
「いえ、こちらこそお礼を言わなくてはいけません。<br/>
　娘を助けていただいてありがとうございました。」<br/>
その声に、ただしがみついていたコティは顔を上げた。<br/>
「・・・・・パパー！」<br/>
そのヒュームはコティの頭を撫でながら、釣りタルに言った。<br/>
「どうも母親に似てガンコな娘でして。<br/>
　最後までただ成り行きを見守るつもりでいて、ご迷惑をおかけしました。」<br/>
釣りタルは笑いながら言った。<br/>
「ガンコなミスラの奥さんですか。たいへんですねぇ。」<br/>
それから少し世間話などして、タルタル達はまた釣りを始めた。<br/>
<br/>
<br/>
パパはコティを抱っこしたまま舳先へ行って前方を眺めた。<br/>
霧が晴れ、気持ちよいお日様の光と涼しげな海風の向こうに<br/>
セルビナが遠く見えてきている。<br/>
コティは目に涙をいっぱいためていたけど、泣かなかった。<br/>
「パパ・・・ごめんなさいにゃ。」<br/>
「パパはいいから、帰ったらママに謝りましょう。<br/>
　ママのほうが心配していたに違いないから。」<br/>
コティは素直にこくんと頷いた。<br/>
「あと、ちゃんとコティからおにいちゃんたちにお礼を言ってきなさい。<br/>
　もう自分で立てますね？」<br/>
コティはもう一度こくんと頷いた。<br/>
パパの腕からひょいと降りると、釣りタル達のほうに駆けていく。<br/>
ぺこりとお辞儀をしながらお礼を言って回ると、急いで戻ってくる。<br/>
「パパ？」<br/>
「なんです？」<br/>
「コティもママもガンコ？」<br/>
「え？いや・・・あの・・・ママには内緒にしてください・・・。」<br/>
コティはにやりと笑った。<br/>
<br/>

        ]]></content> 
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  <entry> 
    <title>No.58「試合終了」</title>  
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    <issued>2007-05-13T12:02:53+09:00</issued>  
    <modified>2007-05-14T13:48:26+09:00</modified>  
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    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
ハイプリーストは激昂するシンの様子を楽しむかのように眺めながら言った。<br/>
「ああ、生ぬるいわ。　<br/>
　ここまでの五分の勝負、決して我々の心を慰めるものではない。<br/>
　お前をここで八つ裂きにでもしなくてはな。」<br/>
シンは軽く身構えた。<br/>
「ふ・・・まぁ、そう気負うな。<br/>
　親善試合となっている以上、そこまで出来る訳ではないのだ。」<br/>
「何を・・・！ここまでの試合、皆殺しにでもしようかというような<br/>
　運びだったのではないですか！」<br/>
「分からぬだろうな、我々の目論見。<br/>
　・・・・・くっくっく・・・まぁよい。」<br/>
ハイプリーストはカー・トルに目配せをした。<br/>
すかさずカー・トルが「試合開始！」と宣言をする。<br/>
「どこまでも卑怯な！」<br/>
シンが空蝉を唱える間もなくハイプリーストの詠唱が終わる。<br/>
スリプルＩＩ！<br/>
「くっ・・・」<br/>
シンはその場に構えて立ったまま、意識が混濁した。<br/>
「お前など我の相手ではないわ。」<br/>
ハイプリーストはシンの目前で言い放った。<br/>
ヤグードたちは狂喜した。<br/>
<br/>
「シン！起きろぉっ！」<br/>
アメが悲痛な声をあげる。<br/>
他の者達もその様子を絶望的な眼差しで眺めていた。<br/>
タローがアメの名を呼びながら、その側に駆けつける。<br/>
<br/>
ハイプリーストは周囲を見渡し満足そうに笑った。<br/>
「皆のもの！<br/>
　こやつを血祭りにあげるのは容易なことなのだ。」<br/>
歓喜の声がそれに応える。<br/>
「しかし、盟約を破ったとなるとギデアスには人間どもが押し寄せる！<br/>
　お前達の力では、防ぎきることは不可能であろう！」<br/>
歓喜の声がざわめきに変わる。<br/>
「この勝負、我に預けよ！」<br/>
そう言い終わると、ハイプリーストは又シンの正面に向き直り、<br/>
軽く肩を押した。<br/>
シンの体は簡単に崩れ落ちた。<br/>
意識が戻りきる前に、すかさず次のスリプルを詠唱する。<br/>
シンはまるで人形のように舞台に転がった。<br/>
ハイプリーストはその様子を満足げに見下ろした後、<br/>
シンに背を向け舞台を悠然と降りてしまった。<br/>
<br/>
<br/>
「・・・・あ・・・こ、これは・・・」<br/>
カー・トルがその真意を突き止めかね困惑していた。<br/>
ハイプリーストは振り向き、宣言を促した。<br/>
「どうした？両者に戦闘意志がないのだぞ？」<br/>
「は、はい・・・この勝負、ひきわけとする！」<br/>
ざわめきの中には不満の声が混じりはじめる。<br/>
ハイプリーストは再び舞台に上がると、<br/>
周囲をぎろりと睨み渡し、恐ろしい声で言い放った。<br/>
「言いたいことは拳で言え！我にお前達の力を見せてみよ！」<br/>
その威圧感にヤグードたちは静まり返った。<br/>
「修行するのだ！その先に我らの栄光はある！」<br/>
ヤグードたちは息を吹き返したように各々が鬨の声を上げた。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
ソノタがおどおどと舞台の裾に駆け寄り、シンにケアルを唱えた。<br/>
シンは背中からゆっくりと起き上がり、悔しそうに俯いたまま舞台から降りてきた。<br/>
カー・トルはその後試合の引き分けを宣言し、<br/>
ヤグードたちもばらばらと自分の持ち場へと戻っていく。<br/>
ストラもエッキも、既にソノタの回復魔法で生気を取り戻していた。<br/>
ストラがシンに声をかける。<br/>
「シンさん、どうか顔を上げてください。<br/>
　我々は負けてはいません。<br/>
　ウィンダスとヤグードの均衡は保たれたのです。」<br/>
エッキもシンの肩を叩きながら励ました。<br/>
「おぬしばかりに迷惑かけたのう。すまんかった。」<br/>
「ううん・・・迷惑だったらボクのが一番かけたから・・・<br/>
　ボクのせいで、もう少しで大変なことになってたかもで、<br/>
　実際シンさんの、えっと、あの・・・アメさんが大変な目にあったみたいで、<br/>
　だから、その・・・ごめんなさい・・・」<br/>
ソノタも頭をかきながら詫びた。<br/>
「いえ、皆さんがご無事ならそれでいいのですよ。」<br/>
シンはやっとで顔をあげ、力ない笑みではあったが皆ににっこりと微笑んだ。<br/>
そして、アメの姿を探した。<br/>
アメは皆のちょっと後ろに、にやにや笑いながら立っていた。<br/>
アメは新しいダブレットを着ていた。<br/>
「あ・・・アメさん・・・」<br/>
そう言いかけて、シンはアメの足元にタローの姿を見つけた。<br/>
「タローでしたか、ありがとう。」<br/>
アメは可笑しそうに笑いながら、シンに上衣を差し出した。<br/>
「新米冒険者みたいだろ？ちょっとはかわいいか？」<br/>
アメから上衣を受け取りながら、シンはやっとでやさしそうな笑みを浮かべた。<br/>
「いや・・・えーっと、お似合いです・・・」<br/>
「ひでーな、うち、そんなに弱っちく見えるかぁ？」<br/>
「そんな意味では・・・」<br/>
二人のやりとりに皆もくすくすと笑った。<br/>
<br/>
<br/>
その時、シンは背後にただならぬ気配を感じ、振り返った。<br/>
そこにはハイプリーストがオズトロヤの戦士達を従えて近づいてきていた。<br/>
シンの顔つきが見る見る険しくなった。<br/>
ハイプリーストは愉快そうにその姿を眺めて言った。<br/>
「どうした？不満か？」<br/>
「何故・・・勝負を避けたのです!?」<br/>
「知りたいか？知りたいなら、そして我を真に憎むなら、<br/>
　オズトロヤに来い！命を賭してその答えを聞きに来い！<br/>
　最深部にて待っていよう！」<br/>
そして、シンの返事を待たずに、<br/>
オズトロヤのヤグード達はプレラットの唱えるデジョンＩＩで次々に姿を消していった。
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>No.57「風のクリスタル」</title>  
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    <issued>2007-05-13T12:00:59+09:00</issued>  
    <modified>2007-05-13T16:10:51+09:00</modified>  
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    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
互角<br/>
<br/>
この経過にヤグードたちは苛立ちを募らせた。<br/>
オズトロヤの戦士達でもこの様か、といった言葉を小さく吐き捨てる者もいた。<br/>
しかし、皆それ故に最終戦の圧倒的な勝利を信じて疑っていない。<br/>
小さな不満がやがて大きな喜びに変ることを<br/>
うずうずと待ち構えているようだった。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
そのような異様な雰囲気の中<br/>
アメの試合中からタローはヤグード達の足元をうろうろと歩き回っていた。<br/>
試合に夢中になって、ヤグードたちは身に着けている数珠や<br/>
隠し持ったクリスタルを不用意に落とす者もいる。<br/>
タローはそれらを探し回り、見つけるたびに拾い集めこっそりと分解し草糸を作った。<br/>
草糸を集めるとダブレットが作れる。<br/>
それしかここでは出来ないが、<br/>
裸同然になったアメに着せてやりたかった。<br/>
リュックをごそごそと探り、雷のクリスタルを一個見つけた。<br/>
「よかった、これ、なかったらつくれない・・・」<br/>
あと数珠と風のクリスタルが一個ずつあれば草糸は足りる。<br/>
タローは一生懸命ヤグードたちの足元を探した。<br/>
時には無意識に時にはわざと蹴られたりする。<br/>
そのたびによろけたり、転んだりした。<br/>
でも、タローは泣かなかった。<br/>
「アメ、きっともっといたい、おれ、これぐらいいたくない。」<br/>
やっとで数珠を一つ見付け、大事そうに抱え込む。<br/>
<br/>
だけど、あと一個の風のクリスタル。<br/>
それがどうしても見つからなかった。<br/>
試合が決着に近づくにつれ、ヤグードたちも益々殺気を帯びる。<br/>
タローは集団の後方にはじき出されてしまった。<br/>
闘技場は見えない。<br/>
が、爆発音と共に粉塵が舞い飛ぶのがタローからも見えた。<br/>
「アメ！・・・・」<br/>
思わず小さく声を出してしまった。<br/>
その時、タローの後ろから声がした。<br/>
「おかしいと思ってたんだよな。」<br/>
驚いて振り向くと、そこにはマーがいた。<br/>
「マー！」<br/>
「お前、人間の味方するのか？」<br/>
タローはうつむいた。<br/>
「俺、違う。どっちの味方でもない。」<br/>
「なんだよ、それ。」<br/>
「俺、アメに命助けられた。」<br/>
「アメ？」<br/>
「アメ、今戦っているミスラの名前。」<br/>
「タロー、お前人間に母さんを殺されたんだろう？あいつら、皆同じだ！<br/>
　だまされるな、俺たちをいつか滅ぼそうと思ってるんだ！」<br/>
「アメ、だまさない！<br/>
　アメ、命かけて俺、守った！」<br/>
「・・・・・・・・・」<br/>
「すまん、マー。俺・・・・」<br/>
マーは険しい表情のまま、タローに手を差し出した。<br/>
「謝るなよ。これ、探してるんだろ。やるよ。」<br/>
マーの手には風のクリスタルが握られていた。<br/>
「マー！これ、俺に？」<br/>
「やるってってんだろ！」<br/>
マーはそれをタローに押し付けると、くるっと背中を向けた。<br/>
「今日はもうおれに話しかけにくるんじゃないぞ。」<br/>
そう言って、足早にそこから立ち去った。<br/>
タローはぽろぽろと涙をこぼした。<br/>
「マー、すまん。今度、俺、今度ちゃんと、ちゃんと話す。」<br/>
タローはダブレットを完成させると、アメのいる陣営に急いだ！<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
アメに上衣を着せ掛けたまま、シンは舞台に上がっていった。<br/>
その眼は真っ直ぐ大僧正と呼ばれるヤグードを見据えていた。<br/>
大僧正、ヤグードハイプリーストも不敵な笑みを浮かべながら<br/>
舞台の下からその眼差しを捕らえていた。<br/>
ざわつく周囲の騒音から、何故か静かなハイプリーストの声だけが<br/>
シンの耳元に届いた。<br/>
「面白い。死にたいのか？」<br/>
「私は負けるつもりはありません！」<br/>
「そのような不十分な身形で、我に勝てると思うてか？」<br/>
「衣などなくとも十分です！」<br/>
「くっくっくっく・・・・・・・想う女が辱められたのがそんなに不満か？」<br/>
シンはかっとなった。<br/>
「そんなものではない！ここに来て、私と戦え！」<br/>
ハイプリーストはゆらりと舞台に上った。<br/>
歓喜の声が周囲から起こる。<br/>
その声を背中に受け、中央まで進んだハイプリーストは静かに微笑みながら、<br/>
しかし何かを考え込んでいるようでもあった。<br/>
「我は我々オズトロヤの戦士がこの戦闘で勝つことが必要だと思ってここにきた。」<br/>
シンは訝しげにその顔を見つめた。<br/>
「このような親善試合という生ぬるい力比べの場では、<br/>
　それにも限界があることに気付いたのだ。」<br/>
「生ぬるい？」<br/>
<br/>

        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>No.56「シンの怒り」</title>  
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    <issued>2007-01-17T11:36:14+09:00</issued>  
    <modified>2007-01-18T01:22:11+09:00</modified>  
    <created>2007-01-17T11:36:14+09:00</created>  
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      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
気を失っていたかのように見えたアサシンがぴくりと動いた気がした。<br/>
と、同時にその体が眩しい閃光のように光り、<br/>
轟音と共に砕けて散った。<br/>
忍者が自らの命を賭して相手にダメージを与える、微塵がくれの術である。<br/>
このまま無様に転がっているわけにはいかない、<br/>
アサシンの誇りに似た思いが、ふと気を取り戻した瞬間にこの技を繰り出させた。<br/>
<br/>
バルガの舞台の上は粉塵のようなもので一瞬何も見えなくなった。<br/>
シンは思わず近くまで駆け寄る。<br/>
「アメさーん！」<br/>
視界を遮っていた粉塵が収まってくる。<br/>
先に見えたのはヤグードが立つシルエットだった。<br/>
審判であるカー・トルには試合によるダメージが及ばないように<br/>
特別な防御魔法でもかかっているのか、<br/>
それとも事前に人間には分からないような合図でもあるのか、<br/>
傷ひとつない体で舞台の端の方に立っていた。<br/>
すぐに、<br/>
うずくまっているようなアメのシルエットが見えてきた。<br/>
大僧正と呼ばれるヤグードは、それでいいというように僅かに微笑みながら頷いた。<br/>
それを見て、カー・トルはすぐさま声を上げた。<br/>
「この勝負、ひきわ・・・」<br/>
シンがその言葉を遮った。<br/>
「待て！またそのような不公正な審判を下す気か！」<br/>
いつものシンとは思えないほど語気を荒げていた。<br/>
一瞬カー・トルが気おされて言葉を中断するが、<br/>
冷静に返事をする。<br/>
「その意見は認められない。」<br/>
そして改めて勝敗を宣言しようとした。<br/>
<br/>
<br/>
その時だ。<br/>
「マッタクだ。てめぇの目は節穴かぃ？」<br/>
ぼそぼそと、しかし力強いアメの声だ。<br/>
カー・トルは驚いてアメを見た！<br/>
うずくまっていたアメは、ぎしぎしと音を立てるように<br/>
赤く染まった体を起こした。<br/>
「戦闘不能ってのは、ばったりと倒れた時に言うもんだぜ？」<br/>
アメは立ち上がると、カー・トルに向かって<br/>
ようやくにやりと笑った。<br/>
<br/>
アメはぴくりと動いたアサシンの<br/>
その小さな変化を見逃してはいなかった。<br/>
爆発的なその攻撃を、咄嗟に身を低くし<br/>
ダメージを減らしていた。<br/>
<br/>
カー・トルも立ち上がったアメと、<br/>
ぼろぼろになってぴくりともうごかなくなったアサシンを前にしては<br/>
勝敗を偽ることは出来なかった。<br/>
「・・・・・・・・・・・勝者・・・」<br/>
しかし、自らの職責も果たさなければいけない。<br/>
始めは渋々ながらも、<br/>
思い直しはっきりと審判を下した。<br/>
「勝者、ウィンダス代表！」<br/>
それを聞いてアメは安心したように微かに笑った。<br/>
シンは審判が下ったのと同時に舞台に駆け上がり、<br/>
自分の上衣を脱ぎ、アメに着せ掛けた。<br/>
そして、その体を支えようとする手を<br/>
アメは軽く押し返した。<br/>
「大丈夫、そんなによれよれじゃねぇ。」<br/>
「アメさん・・・。」<br/>
「ありがとな。実はあの姿じゃ恥ずかしかったわ。」<br/>
アメはシンににかっと微笑みかけると、一人で舞台を降りていった。
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>No.55「アメ対アサシン」</title>  
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    <issued>2006-10-06T10:51:05+09:00</issued>  
    <modified>2006-10-08T17:59:02+09:00</modified>  
    <created>2006-10-06T10:51:05+09:00</created>  
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      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
舞台の上からYagudo Assassin　がアメをじろりと見た。<br/>
そしてふふん、と鼻で笑った。<br/>
「女シーフか。」<br/>
アメはアサシンをしっかりと見据えると、ソノタを乱暴にその場に下ろした。<br/>
「うひゃぁ！」<br/>
ソノタはうまく着地できずに、ころろんと転がった。<br/>
顔をまっすぐアサシンの方に向けながら、アメは舞台に二、三歩進む。<br/>
と、舞台とアメの間にシンが体を挟んだ。<br/>
「アメさん！待って下さい！」<br/>
「ん？」<br/>
「今日の試合は危険なんです！」<br/>
「だから？」<br/>
シンは一瞬言葉を詰まらせた。<br/>
<br/>
　　だから、あなたには戦って欲しくない<br/>
<br/>
喉元までこの言葉が出かけた。<br/>
しかし、今の状況でこの言葉を口にするわけにはいかない。<br/>
この武闘会に負けることは、<br/>
ヤグードとウィンダス間のわずかに保たれている均衡を崩す事にもなりかねない。<br/>
この試合を不戦勝にしていいわけはないことは、シンもよく分かっている。<br/>
<br/>
　　どうしてこんな時にアメさん<br/>
　　あなたは来てしまうのですか・・・<br/>
<br/>
<br/>
舞台の上ではカー・トルが口を開いた。<br/>
「代わりの者の出場を認める。舞台へ上がるがいい。」<br/>
シンは思わず言った。<br/>
「私に戦わせてください！<br/>
　もちろん、四戦目も戦います！」<br/>
カー･トルがちらりとYagudo High Priest　の方を見た。<br/>
「我もなめられたものだ。一人で二勝するつもりでいるのか？」<br/>
その様子を見て、カー･トルは告げた。<br/>
「その申し出は認められない。」<br/>
<br/>
アメはシンの横をすっとすり抜けると、舞台へ向かった。<br/>
アメはきっとアサシンを睨み返したまま舞台へ向かう。<br/>
シンとすれ違い様、アメは言った。<br/>
「心配すんな。うち、強いから。」<br/>
その様子をぽか～んとソノタは見ていた。<br/>
「どうなってるの？」<br/>
座り込んだままのエッキが力なく笑いながら言った。<br/>
「お前さん、たいがい鈍すぎじゃ。」<br/>
<br/>
<br/>
アサシンに対峙してアメが舞台の上に立った。<br/>
すらりとアサシンが刀を抜き、アメに突きつける。<br/>
「その顔に傷は付けたくなかろう？<br/>
　参りましたと一言言えば良かろうに。」<br/>
アメも格闘武器を両手に装備した。<br/>
「あいにく、それ程大事にしてなくてね。」<br/>
「短剣を持たぬのか。刃無くして勝利するつもりとは笑止な。」<br/>
「うちはこっちのほうが性にあってんだよ。」<br/>
<br/>
前の試合での勝利から勢い付いているヤグード達の歓声は<br/>
まるで早く次の生贄を欲しているかのようだった。<br/>
その熱気の中にあって、タローは祈るように両手を合わせていた。<br/>
「アメ・・・負けない・・・アメ・・・負けるな・・・」<br/>
隣りではしゃいでいるマーに聞こえないように、<br/>
小さな小さな声で何度も繰り返した。<br/>
<br/>
<br/>
カー･トルはアサシンとアメの間に水平に手をおろし、それをさっと上げた。<br/>
「開始！」<br/>
アメはすぐに懐に飛び込み、片手でアサシンの刀を持つ手をはじきあげ、<br/>
腹に打撃を叩き込んだ！<br/>
が、手ごたえはなく、代わりに紙兵が目の前を舞う。<br/>
「試合前にセミはってたのか！卑怯な！」<br/>
アサシンはにやりと笑って後方に飛び、又何か術を唱える。<br/>
「捕縛！」<br/>
アメの体が少し重くなる。<br/>
続けてアサシンは短い詠唱の術を重ねて掛けてきた。<br/>
「呪縛！毒盛！」<br/>
麻痺と毒が重ねてアメにかけられた。<br/>
「くっ・・・」<br/>
その様子を見て、アサシンが悠々と空蝉の術を唱え始める。<br/>
「ばーか！」<br/>
アメはくるりと一回転すると、またすばやくアサシンの間合いに飛び込み拳を叩き込む！<br/>
空蝉の術を唱えきれずに、アサシンが少し顔を歪める。<br/>
「ぬぅ・・・！」<br/>
アメはへへんと笑うと、手に持った空の小瓶を３つ放り投げた。<br/>
「一気飲みはきついんだよ？」<br/>
<br/>
その小瓶に入っているものは万能薬だった。<br/>
フワはヴァズにテレポすると、急いで走り出そうとするアメを制し<br/>
薬品をポケットに詰め込めるだけ渡した。<br/>
そんなのいらない、と言うアメに<br/>
「持っていかなきゃ、このままヨトにでも連行しますわよ。」<br/>
とフワは睨みつけ、無理矢理持たせたものだった。<br/>
<br/>
くっと悔しそうに呻くと、アサシンは高く飛び両足をアメに打ち付けた。<br/>
「飛燕双脚！」<br/>
その衝撃でアメの動きが一瞬止まる。<br/>
その隙をついて、アサシンは刀でアメに切りつける。<br/>
何とか直撃はかわしたものの、切っ先がキュロットの左足側を切り裂く。<br/>
そこから腿と下着までが見え隠れする。<br/>
それを見て、タローは居ても立ってもいられなくなった。<br/>
すっとマーの横から消えると、ヤグード達の中を歩き回り何かを探し始めた。<br/>
「まってろ、アメ・・・」<br/>
<br/>
アメはうろたえる事もなく、アサシンに向かった。<br/>
アサシンも今はただ拳を受けることはなく、アメが間合いに飛び込むことを許さない。<br/>
刃がアメの軌道に振り下ろされる。<br/>
アメもそれを読み、紙一重で回避する。<br/>
お互いに決定打を出せないまま、じわじわと試合は進む。<br/>
ふと刃を受けること覚悟で、アメが思いっきり間合いに入る。<br/>
刀に左腕を浅く切られ、赤く血が滲む。<br/>
その血を飛び散らせながら、アメは数回拳を打ち込んだ後<br/>
渾身の乱撃がアサシンをえぐる！<br/>
空蝉も剥がれた後のＷＳ技にアサシンは軽くよろめく。<br/>
しかし、またすばやく後方に飛びながら、刀を下から振り上げる！<br/>
切っ先がアメの頬を軽く捉える。<br/>
しかし、アメは怯まず追うようにアサシンの懐へと又飛び込む。<br/>
「くっ・・・しつこいっ！」<br/>
アサシンは、その冠する暗殺者の名にかけて<br/>
無様な体をさらすことは出来ないと思っていた。<br/>
懐に飛び込もうとしたアメが間合いに入るのを見て<br/>
アサシンは「草払い！」と言うと、周囲にカマイタチのようなつむじ風をおこす。<br/>
鋭い風は小さな無数の刃となって<br/>
アメの体と、布で出来たアメの装備をも切り刻んだ。<br/>
アサシンはそこにすかさず術を唱える！<br/>
「火遁！」<br/>
術で作られた炎がちりちりとアメの肌を焼く。<br/>
<br/>
シンはもうアメを正視出来なかった。<br/>
俯いて、唇をかみ締め、わなわなと拳を握り締めていた。<br/>
<br/>
と、<br/>
炎を纏ながら、ほぼ半裸のようになったアメがアサシンに向かった！<br/>
「おまぇら、いい加減学習しろよ！」<br/>
シンがはっと顔を上げる。<br/>
半裸のアメの背には翼があった。<br/>
傷だらけの天使が降りてきたのかと、目を凝らした。<br/>
よく見ると、その翼は空を飛ぶためのものではなく、<br/>
強制的に肩を動かす道具、イカロスウィングであった。<br/>
アメはその力を借りて、再び乱撃を繰り出す！<br/>
必殺技を立て続けに受けては、立て直しようがなかった。<br/>
アサシンはぐぅ・・と鳴くと、ばったりとその場に倒れた。<br/>
「・・・・」<br/>
カー･トルは近づき、ためらいながらハイプリーストの方を見た。<br/>
ハイプリーストは腕組みをしたまま、カー･トルを睨みつけた。<br/>
周囲のヤグードは一瞬鎮まりかえった後、<br/>
ギャアギャアと不満の声をあげ始めた。<br/>
その中にあって、アメはすっと立っていた。<br/>
そして、カー･トルをじろりと見た。<br/>
「おい、審判！早くしてくんない？<br/>
　このまま待たせるのって趣味悪くね？」<br/>
<br/>
<br/>

        ]]></content> 
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  <entry> 
    <title>No.54「１敗１引き分け」</title>  
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    <issued>2006-08-09T15:42:06+09:00</issued>  
    <modified>2006-08-09T16:08:57+09:00</modified>  
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    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
勝負は一瞬で決まった。<br/>
フラジェラントは叩きつけられる斧の打撃にもかまわず<br/>
初めからモンクのアビリティである百裂拳を発動させ、<br/>
絶え間ない拳を繰り出した。<br/>
ストラも間髪いれずマイティストライクを発動させる。<br/>
しかし、手数が圧倒的に違っていた。<br/>
先にストラの手が止まる。<br/>
フラジェラントの拳は、ストラの攻撃が止まってからも<br/>
何度も打ち込まれ、<br/>
ストラの体が後ろに吹き飛んで倒れてようやく止まった。<br/>
シンの顔がゆがむ。<br/>
「強い・・・だけでなく、なんと惨忍な・・。」<br/>
今度はカー・トルは即座に高らかに勝敗を宣言した。<br/>
「勝者、ヤグード族！ヤグード・フラジェラント!!」<br/>
歓喜の声がうねりのように舞台を包む。<br/>
ヤグード族の代表の勝利に、皆が酔いしれている。<br/>
<br/>
ストラにかかっていたリレイズの魔法の力が体を包む。<br/>
ストラは微かに気を取り戻し、よろよろと舞台から自力で降りてきた。<br/>
シンは駆け寄り声をかける。<br/>
「ストラさん、大丈夫ですか？」<br/>
手を貸そうとしたシンに片手で制し、辞退を示しながら、<br/>
ストラはよろよろとエッキの脇に倒れこむように腰を下ろした。<br/>
「すまない。<br/>
　こんなに早く負けてしまった。」<br/>
エッキがぼそりと慰める。<br/>
「なぁに、勝負は時の運よ。」<br/>
「いや、言い訳ではないのですが・・・」<br/>
悔しそうにストラが言った。<br/>
「実力は互角か、私の方がやや勝っていると感じました。<br/>
　我々に気づかれないように強化魔法がかけられているのではないかと。<br/>
　しかし・・・」<br/>
シンは頷きながら言った。<br/>
「ええ、もしそれが疑わしいとしても<br/>
　取り合ってはもらえないでしょう。<br/>
　私たちはハンデを背負いながら戦っているのです・・・。」<br/>
　<br/>
カー･トルが舞台の上からシン達に尋ねた。<br/>
「続いて第３回戦を執り行う。<br/>
　ヤグード･アサシンの対戦相手であるウィンダス代表ヒュム族の者は<br/>
　自ら第４回戦への変更を志願し、了承された。<br/>
　第３回戦は後から来る戦士ということになるが、よろしいか？」<br/>
３人は不承不承頷いた。<br/>
「よろしい。それで、３回戦を戦う者は来たのかね？」<br/>
シンが立ち上がる。<br/>
「もう少し、もう少しだけ待ってはもらえませんか？<br/>
　先ほどの者に確かめさせてください！」<br/>
カー･トルは眉一つ動かさずに続けた。<br/>
「試合は開始されたのだ。　待つ必要はない。」<br/>
そう言い放ち舞台の中央に戻ると、<br/>
ヤグード族がいる側、右手を高々と上げた。<br/>
「第３回戦！ウィンダス代表戦士不在に付き・・・」<br/>
この勝負が不戦敗になると、<br/>
たとえシンが勝利したとしても１勝２敗１引き分けでウィンダス側の敗北が決まる。<br/>
シンはぎゅっと唇をかみ締めた。<br/>
<br/>
<br/>
その時、カー･トルの声を掻き消すがごとく<br/>
大きな声が響き渡った。<br/>
「代表ならここにいる！」<br/>
声がするほうに一斉に視線が注がれる。<br/>
ヤグード族がどよめく。<br/>
そこにはタルタルを小脇に抱え、肩で息をする赤茶色の髪のミスラの姿があった。<br/>
シンは、<br/>
シンが一番驚いていた。<br/>
「ア・・・アメさん？どうしてあなたが？」<br/>
アメは抱えていたタルタル、ソノタをそこに下ろすと<br/>
シンに向かってにかっと笑った。<br/>
「いやぁ・・・んー・・・ちょっと通りすがり？」<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
ソノタは、実際魔方陣から出た後、帰りかけていたのだった。<br/>
デジョンでさっさと戻ってしまえば気が楽になるな、と思いつつも<br/>
何となくまだ少し後ろめたい気持ちを引きずりながら歩いていた。<br/>
やっぱりウィンダスに戻ってこの事をありのまま知らせるべきかなとか、<br/>
どうせ誰かが試合後に報告をしにいったら<br/>
自分のことも報告されるのだから、<br/>
その前にうまいこと言っておいたほうがいいのかなとか、<br/>
様々なことが頭の中を駆け巡っていた。<br/>
そんな時、入り口の方向からものすごい勢いで駆けてくるミスラと鉢合わせた。<br/>
ソノタを見るなり、ミスラは言った。<br/>
「おい！今開催されているミッションのこと知らないか？」<br/>
ソノタはぎょっとした。<br/>
「え？ミッション？バルガの武闘会？<br/>
　そ、そ、そんなの・・・ボクは知らな・・・」<br/>
突然のことに、ソノタは反射的に否定してしまった。<br/>
「ごちゃごちゃ言ってるんじゃねぇ！<br/>
　ミッション名言った時点で知ってるんじゃないか！」<br/>
アメはソノタの襟首をつかんで持ち上げた。<br/>
「で、で、でも、キミ、何？<br/>
　とにかく、下ろして！助けてぇ！」<br/>
ソノタはすっかり怯え、手足をばたばたさせていた。<br/>
「ヤグードに助けを求める気？<br/>
　いいから、知ってるなら、ただうちをそこに連れていけ！」<br/>
ソノタは暴れるのを止めた。<br/>
「え？戦ってくれるの？ボクのかわりに？」<br/>
その言葉を聞くと、<br/>
アメはソノタを小脇に抱え、とんずら発動！<br/>
またものすごい勢いで駆け出した。<br/>
「来てよかった！シンのとこに行ける！」<br/>
最早抵抗もしないでアメに抱えられているソノタが言った。<br/>
「なーんだ、シンさん、やっぱ友達呼んでいてくれたのかぁ。」<br/>

        ]]></content> 
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  <entry> 
    <title>No.53　「その試合結果」</title>  
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    <issued>2006-05-13T16:04:12+09:00</issued>  
    <modified>2006-05-15T00:26:06+09:00</modified>  
    <created>2006-05-13T16:04:12+09:00</created>  
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      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
舞台から降りたカー･トルが宣言する。<br/>
「それでは第１回戦を開始する<br/>
　Yagudo Prelate、ウィンダス代表ガルカ族、<br/>
　双方前へ！」<br/>
その声を聞いて、エッキは「おおおおぉぉぉ！」と咆哮した。<br/>
ヤグードの黒魔道士、プレラットは静かにゆらりと闘技場の上に進み出た。<br/>
エッキは立ち上がり、プレラットを睨みつけながら<br/>
背中越しにシンとストラに言った。<br/>
「まず、一勝してくるわぃ！」<br/>
その様子を見て、プレラットは微かに嘲笑ったような気がした。<br/>
舞台の上に上がったものの、プレラットは中央まで進んでは来なかった。<br/>
舞台の端に立つ。<br/>
中央まで進んだエッキがカー･トルに言う。<br/>
「試合前の挨拶もせんのかぃ！」<br/>
「対戦の宣告時よりすでに試合は始まっている！」<br/>
<br/>
それを聞いて、エッキは腰に携えていた片手斧を構える。<br/>
「なるほど、間合いに入ってたら即攻撃されていたわけじゃな！」<br/>
プレラットは無言ですっと戦闘の構えをとる。<br/>
エッキはすっと一歩下がると、瞬時目を閉じて黙想をした。<br/>
その様子を見て、プレラットが口を開く。<br/>
「侍の心得があるのか。しかし、その斧で私を切り裂くことはできるかな？」<br/>
すかさず、プレラットは魔法の詠唱を始めた。<br/>
「先に打ち倒してやるわぃ！」<br/>
斧を振り上げたエッキだが、突然動けなくなり、前につんのめりそうになる。<br/>
「ぅぉぉ？」<br/>
プレラットはにたりと笑った。<br/>
「ぬぅぅ、バインドかっ！」<br/>
と、すぐにぶつぶつと長い詠唱を始めた。<br/>
「くっ･･･ぬかったわぃ！」<br/>
激しい風の竜巻が巻き起こり、エッキの巨体を包み込む！<br/>
<br/>
シンとストラが息を呑む。<br/>
「トルネド！」<br/>
竜巻が収まると、体を切り刻まれたエッキが立っていた。<br/>
「ぐぅぅ！これしきでは倒れんぞ！」<br/>
すかさず無言のまま、プレラットが魔力の泉を発動させる！<br/>
ヤグードたちの歓声で何を詠唱しているのか分からない。<br/>
「うぉぉぉ！動け！ワシの足！」<br/>
再び、つむじ風が巻き起こり、エッキの体を切り刻む。<br/>
強力なエアロ系の魔法が立て続けに襲い掛かってくる。<br/>
と、エッキが胸ポケットから数本の小瓶を取り出し、<br/>
ごくごくと飲み干していく。<br/>
それは青いハイポーションの入った小瓶だった。<br/>
体力を回復させる薬だ。<br/>
「このまま負けるわけにはいかんのじゃぁぁ！」<br/>
かまいたちのような風が次々にエッキを襲う。<br/>
プレラットが少し表情をゆがめた。<br/>
「しぶとい・・・」<br/>
プレラットが休みなくエアロの精霊を打ち続ける。<br/>
ふと、エッキの体が前のめりに動く。<br/>
シンとストラが息を呑んだ。<br/>
しかし、エッキは倒れなかった。<br/>
そのままプレラットに突進する！<br/>
「おおおおおおおお！」<br/>
プレラットは長い詠唱を始めていたが、それを中断して短い詠唱に切り替える！<br/>
<br/>
エッキの白い体は、傷口から溢れる血で赤く染まっていた。<br/>
噴き出す血をそのままに、エッキは力を振り絞る。<br/>
怒りを力に変換し、斧をプレラットに振り下ろした！<br/>
目にも留まらぬ速さで何度も打ち付ける。<br/>
その衝撃で、プレラットはもはや詠唱は不可能だった。<br/>
ぐぉぉぉ・・・と最後の声を上げ、プレラットは地面に崩れ落ちた。<br/>
<br/>
「やった！」<br/>
「エッキさん！」<br/>
シンとストラは思わず叫んだ。<br/>
しかし、カー･トルはまだ試合の終了を宣言しない。<br/>
エッキは震える手で装備の中から何か取り出したそうにしているが、<br/>
思うように手が動いていない。<br/>
エッキはカー･トルをにらみつけると振り絞るような声で言った。<br/>
「どうした？ワシの勝ちじゃ！早く終了の宣言を・・・はや・・・」<br/>
言いかけて、エッキはぐぅっと口の端から一筋の血を流すと、<br/>
ばったりとその場に倒れてしまった。<br/>
エッキの攻撃を受ける前のプレラットの詠唱、<br/>
それはポイズンだった。<br/>
エッキが倒れるのを見計らってカー･トルがおもむろに口を開く。<br/>
「第1試合、引き分け！」<br/>
不満とも歓喜ともつかない、大きな歓声が沸き起こった。<br/>
<br/>
「な・・・」<br/>
「勝負は先についていたはずだ・・・！」<br/>
しかし、その抗議にカー･トルは耳を貸さなかった。<br/>
二人はバルガの舞台からエッキを担ぎ出した。<br/>
エッキの唇は毒と出血でみるみる紫色に変わっていった。<br/>
絶望的な顔で眺めるストラだったが、シンは<br/>
「御心配なく。白魔道士の心得があります。」<br/>
と口早に告げると、レイズを詠唱し始めた。<br/>
柔らかな癒しの光がエッキを包む。<br/>
体から毒気が消え、傷口もすっと塞がっていった。<br/>
うっすらとエッキが目を開ける。<br/>
「すまん・・・勝てなくて・・・」<br/>
シンはケアルを詠唱して、傷口を完全にふさいだ。<br/>
「いいえ、エッキさんは勝っていました。<br/>
　ですから、どうか癒しの力が体に行き渡るまでお休みになってください。」<br/>
<br/>
「第2試合を開始する！双方の戦士は舞台へ！」<br/>
カー･トルが休む間もなく次の試合をはじめようとする。<br/>
ストラが立ち上がる。<br/>
「一試合目の分まで、何とか私が試合を長引かせましょう。」<br/>
シンが声をかけた。<br/>
「いえ、私とあなたで勝てば、もう一人を待つこともありません。<br/>
　御自分の戦いをなさってください。」<br/>
「ありがとう。勝ちますよ。」<br/>
そう言うと、首につけていたゴルゲットの力でリレイズを自らにかけた。<br/>
<br/>
<br/>
しかし、ストラはフラジェラントの凶悪な拳の前に、すぐにピンチに陥った。<br/>
魔方陣前ではソノタが後ろめたい気持ちもあったが、<br/>
やっぱりもう帰ろうと立ち上がった。
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>No.52　「対戦相手決定」</title>  
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    <issued>2006-04-28T12:07:26+09:00</issued>  
    <modified>2006-04-28T12:36:49+09:00</modified>  
    <created>2006-04-28T12:07:26+09:00</created>  
    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
カー・トルが<br/>
「では、対戦の組み合わせと順番を・・・」<br/>
と言いかけた時、ソノタがそれを遮った。<br/>
「あ！あの！ボク！ボクは違うんです！」<br/>
カー・トルがぎろりとソノタを見た。<br/>
「違う？どういうことだ？招待状を受け取ったからこそ<br/>
　ここにおるのであろう？」<br/>
「いえ！本当！ボクじゃないんです！<br/>
　そ、そう！遅れてて、時間に遅れるからって！<br/>
　エントリーだけしててって頼まれただけなんです！<br/>
　本当です！」<br/>
「おい！お主・・・！」<br/>
エッキがソノタの襟首を掴んで持ち上げた。<br/>
ソノタは泣きそうになりながら、小さな声でエッキに囁く。<br/>
「ボク・・・絶対どれも無理！死んじゃうって！<br/>
　お願い、見逃してよぉ・・・」<br/>
エッキはちっと舌をならすと、無造作にソノタを下ろした。<br/>
<br/>
カー・トルは少し考えてから言った。<br/>
「それでは、その戦士を早く連れてくるがいい。<br/>
　ただし、対戦が進み、順番になっても現われない場合、<br/>
　ヤグード戦士の不戦勝とする。それでよいな？」<br/>
シンが口を開く。<br/>
「対戦順は？」<br/>
「それもこれから決める。<br/>
　最初の対戦となった場合は運がなかったとあきらめるんだな。」<br/>
ストラが冷静な口調で問う。<br/>
「で、対戦相手と順番の決め方は？」<br/>
カー・トルが４枚の羽根を差し出して言った。<br/>
「これは各ヤグード戦士の羽根である。<br/>
　こちらの順番は先に決めてある。<br/>
　各々が一枚を選べ。<br/>
　それによって、相手と順番が決まる。」<br/>
４人はじっとその４枚の羽根を見つめた。<br/>
人の目では、違いが全く分からない。<br/>
エッキが苦笑いしながら、最初の一枚をとった。<br/>
「ワシらが見分けられないのをいいことに適当に決めるのではあるまいな？」<br/>
カー・トルがにやりとしながら答える。<br/>
「心配するな。そんなことはしない。」<br/>
次にストラが一枚をひく。<br/>
「公正に願いますよ。」<br/>
シンがソノタを見た。<br/>
「どうします？先に選びますか？」<br/>
ソノタはおろおろしていた。<br/>
「残り物には福があるっていうけど・・・ああ、どうしよー。<br/>
　でも、あー・・・」<br/>
シンは苦笑した。<br/>
「悪い選択肢を残してしまっては恨まれそうです。<br/>
　ソノタさん、先に引いてください。」<br/>
「うー・・・わかったよぉ・・・」<br/>
迷いながら、ソノタは一枚を受け取った。<br/>
残った一枚をシンが受け取りながら、カー・トルに尋ねる。<br/>
「さぁ、選びました。対戦順と相手を教えてください。」<br/>
エッキがソノタに言った。<br/>
「誰か連れてくるとは思えんが、もし連れて来る気があるのなら、<br/>
　さっさと行かんかい！」<br/>
ひいっと小さく叫んで、ソノタは二、三歩後退りそのまま背中を向けて走り去った。<br/>
その姿を見て、エッキが言った。<br/>
「あやつ、戻ってはこんじゃろ・・・」<br/>
<br/>
カー・トルは双方の代表者に舞台から降りるように促した。<br/>
そして、高らかに対戦を発表した。<br/>
「戦いは選ばれた！<br/>
　第１回戦　Yagudo Prelate　対　ウィンダス代表ガルカ族！<br/>
　第２回戦　Yagudo Flagellant　対　ウィンダス代表エルヴァーン族！<br/>
　第３回戦　Yagudo Assassin　対　ウィンダス代表ヒューム族！<br/>
　第４回戦は・・・あのタルタル族は運がよいようだ。<br/>
　最後の戦士の羽根を引き当てた。」<br/>
ストラが尋ねた。<br/>
「もし、勝敗が決まらない場合はどうなります？」<br/>
カー・トルは涼しい顔で答えた。<br/>
「代表戦になる。」<br/>
シンは顔をゆがめた。<br/>
「最悪、不戦勝のハイプリとの対戦ですか・・・」<br/>
エッキが力なく笑いながら言った。<br/>
「なぁに、３人とも勝てば問題はない・・・！」<br/>
<br/>
大僧正と呼ばれるヤグード戦士がおもむろに立ち上がった。<br/>
「もし出番が回ってこなかったら、ここに来た意味がない。<br/>
　我は戦いを欲するぞ。」<br/>
カー・トルはその言葉に困惑した。<br/>
「最強の戦士達、３人とも負けてしまうなどとは<br/>
　私は考えておりません。<br/>
　それに、対戦は公正に決められたものであり・・・」<br/>
周囲に向かって、大僧正と呼ばれるヤグードは大きな声で問うた。<br/>
「皆のもの、我の戦いを見たいか？」<br/>
地鳴りのような共鳴する声が周囲に響き渡った。<br/>
すでにこのままでは収まらない状況のように見えた。<br/>
カー・トルもそのまま黙ってしまった。<br/>
３人はその様子を見回した。<br/>
「公正も何もあったもんじゃない・・・」<br/>
ストラの額に冷たい汗が流れた。<br/>
シンが立ち上がり言った。<br/>
「私がお相手になりましょう！」<br/>
エッキとストラは驚いてシンを見あげた。<br/>
「お主！」<br/>
「シンさん！いいのですか？」<br/>
「私が順番としては私たちの中で一番後です。<br/>
　もしかしたら代わりの戦士が来ないとも限りません。<br/>
　これが最善の選択と思います。」<br/>
「シン殿！すまぬ！」<br/>
「私たちが勝って、あなたに負担を残さないようにします！」<br/>
<br/>
<br/>
ソノタはバルガの舞台から離脱したものの、<br/>
舞台へ転送される魔方陣の近くに膝を抱えて座り込んでいた。<br/>
「どうしよー・・・ハイプリいるって聞いたら誰も来ないよなぁ・・・<br/>
　そうでなくても、あんな相手ばっかのとこに<br/>
　内緒で頼んでも恨まれちゃうしなぁ・・・<br/>
　もうあの３人とは会うこともないだろうから、<br/>
　いいかなぁ・・・帰っちゃって・・・」
        ]]></content> 
  </entry>  
  <entry> 
    <title>No.51　 「バルガの舞台」</title>  
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    <issued>2006-04-21T12:16:53+09:00</issued>  
    <modified>2006-04-26T10:27:13+09:00</modified>  
    <created>2006-04-21T12:16:53+09:00</created>  
    <author> 
      <name>yuo-yuon</name> 
    </author>  
    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
「メアなら僕でもすぐに送れますよ。<br/>
　そうですね、上層のガイドストーンあたりで。」<br/>
ルーンが答えてくれた。<br/>
「助かる！」<br/>
アメは急いで上層のガイドストーンへと向かった。<br/>
先にルーンが来ていた。<br/>
「アメさん、又何かあったんですか？」<br/>
テレポを唱える前にルーンが聞いてきた。<br/>
「いや、大丈夫。とにかく悪いけど、まじ急いで！」<br/>
「は、はい、分かりましたよ・・」<br/>
ルーンはテレポメアの呪文を唱え始めた。<br/>
と、<br/>
「ルーン、待つですの！」<br/>
居住区に続く階段の上のほうから声が響いた。<br/>
ルーンは驚き、詠唱をやめる。<br/>
アメもその声に驚き、振り向く。<br/>
「フワ？」<br/>
そこには凛と立つフワの姿があった。<br/>
昨夜まであんなに泣き続けたはずなのに、目ひとつ腫らしていない。<br/>
何事もなかったかのような、いつものフワがそこにいた。<br/>
「フワ？」<br/>
「アメ、メアからどこに行きたいですの？」<br/>
「いや、ギデアス・・・もしかしたらウィンダスかも・・・」<br/>
「メアからチョコボなんか使った日には急いでる意味なんてないですの。<br/>
　ルーン、アメは私に任せるですの。」<br/>
「は・・はい・・・」<br/>
そういうと、フワはテレポヴァズを唱え始めた。<br/>
「アメ、テレポサービスを使うですの。」<br/>
フワがアメに話しかける言葉を残しながら、<br/>
二人の姿がガイドストーンの前から消えた。<br/>
ルーンは大きくため息をついた。<br/>
「やれやれ・・・二人とも聞きたいことは山ほどあるんですがね。<br/>
　問い詰めるのは無粋でしょうか・・・？」<br/>
<br/>
ヴァスのテレポ石に降り立ったアメとフワ。<br/>
二人はアウトポストに向かって並んで走り出した。<br/>
「アメ、テレポサービスのことは知ってますわね？」<br/>
「ああ、でも今のフワに頼むのは・・・」<br/>
「あんなに急いでたのに？<br/>
　メアよりも下層でテレポお願いって叫べばいいですの。」<br/>
「いつ返事があるか分かんないで叫ぶよりはって・・・」<br/>
「急いでるんだか急いでないんだか分からない理屈ですわね＾＾」<br/>
「フワ・・・<br/>
　タローからtellが来たんだ。<br/>
　シンが危険だって。<br/>
　tellしてみたけどシンは全然慌ててなかった。大丈夫だって。<br/>
　でも、うち・・・分からないけど、<br/>
　なんかじっとしてられなくって・・・」<br/>
アウトポストが見えると、急にアメはダッシュをかけた。<br/>
北の地に派遣されたガードは寒そうに厚手の外套を着込んで立っていた。<br/>
近づくアメを見ると、<br/>
「何かご用でしょ・・」<br/>
いつもの台詞を話し始めるガードの言葉を待てずアメは遮った。<br/>
「ウィンダスに送ってくれ！」<br/>
「そちらですと、ただいま・・・」<br/>
「分かってる！ほら！」<br/>
アメはガードに無造作にポケットから取り出したギルを掴ませた。<br/>
それをゆっくりと確認してから、ガードは言った。<br/>
「それでは、お送りいたします。」<br/>
ガードが転送の魔法を唱えた。<br/>
そこにフワが追いついた。<br/>
「アメ！失ってからでは遅いですの！」<br/>
その大きな声にガードも一斉にフワの方を見た。<br/>
転送され、消え行く中でアメは確かに頷いたように見えた。<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
「我は公正なるカー・トル。」<br/>
ヤグード族の審判員が口を開いた。<br/>
闘技場の周りからヤグード族の歓声が沸きあがる。<br/>
宗教によって統率されたヤグード族の結束の強さを示すがごとく、<br/>
張り合うように皆が大きな声を上げる。<br/>
周囲は一瞬にして異様な興奮に包まれた。<br/>
カー・トルがそれを諌めるように言葉を続ける。<br/>
「 静粛に。<br/>
　ヤグードの聖者様、タルタルの星の神子殿<br/>
　両者の名のもとに、<br/>
　本日ここに『バルガの武闘会』を執り行うと宣言する！」<br/>
その言葉に、更に大きな歓声が沸きあがる。<br/>
マーもその雰囲気に酔いしれていた。<br/>
「ヤグードの力をみせつけろー！」<br/>
その熱気の中で、タローだけはマスクの中で泣きそうになりながら、<br/>
周囲にあわせてこぶしを振り上げたりしていた。<br/>
<br/>
ソノタがそんな様子を見回してまた爪を噛み始めた。<br/>
「なんだ？この観戦に来たヤグの数は？<br/>
　いつもこんなふうなの？」<br/>
シンが静かに答えた。<br/>
「いえ、何か今日は異様かもしれません。」<br/>
「ひぃぃ・・・」<br/>
その返事にソノタはおびえた。<br/>
周囲が自然に鎮まるのを待って、カー・トルは口を開いた。<br/>
「尚、今回は両者の力と技を存分に競わせるため、<br/>
　１対１の対戦形式を用意した！<br/>
　誇り高きヤグード族の代表を紹介しよう！」<br/>
カー・トルがさっと右手を上げると、その背後から４人のヤグード達が<br/>
闘技場の舞台に上がってきた。<br/>
カー・トルはシン達にも舞台に上がるように手招きをした。<br/>
それにあわせてシン達も舞台の上へと進む。<br/>
「尊敬の念をこめて、今日の戦士をそのご身分をもって紹介しよう。<br/>
　鍛錬の末、体術に秀でた修行僧 Yagudo Flagellant！<br/>
　東方の武術、暗殺術を学びし僧　Yagudo Assassin！<br/>
　黒魔法を極めし僧正　Yagudo Prelate！<br/>
　さらに全ての魔法を極めし大僧正様！」<br/>
おおーっとヤグード達がざわめき、歓喜に拍手する者もいた。<br/>
目の前に並ぶヤグードの戦士達を見て、４人の顔つきは変わった。<br/>
エッキがさすがに驚いたような声を漏らす。<br/>
「こいつら、オズに住まうような奴らだぞぃ・・・・」<br/>
シンは大僧正と紹介されたヤグードを見つめた。<br/>
「そして、階級名は伏せていましたが、明らかにあのヤグードは…」<br/>
ソノタが震える声で続けた。<br/>
「ま、まさか、うわさには聞いたことあるけど<br/>
　見たことなんかありませんよ。。。<br/>
　あの。。。あの。。。ハイプリってやつ？」<br/>
無言でストラが頷いた。<br/>
シンはタローの言葉を思い出していた。<br/>
「このことだったんですね・・・タロー・・・」　<br/>
カー・トルは涼しい顔で言葉を続ける。<br/>
「この戦いの勝敗は、<br/>
　ウィンダス・オズトロヤ和平条約にある<br/>
　『ウィンダスからオズトロヤへの奉納品』<br/>
　に関する条件文に影響を及ぼす。<br/>
　両者、死力を尽くし<br/>
　非礼なき闘いを繰り広げんと誓え！」
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    <title>10,000hit　御礼</title>  
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    <content type="html"><![CDATA[ 
カウンターをつけてないのですが、編集画面ではアクセス数記録されてます。<br/>
忙しくしている間に１万hitは既に先週越えたようです(´Д⊂<br/>
いつも御愛読ありがとうございます。<br/>
<br/>

        ]]></content> 
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    <title>No.50　「シン、危険！」</title>  
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    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
「タロー、早くこいよー！」<br/>
ギデアスに向かう道すがら、<br/>
タローはギデアスに向かう人間達を見逃すまいとあたりを見回すため、<br/>
なかなか先に進めなかった。<br/>
「どうした？連れて行かないぞ？」<br/>
マーがいらいらしたように言う。<br/>
「す、すまん。歩きにくいだけ。」<br/>
実際人間に見つからないように道の脇の岩場を進んでいたのだが、<br/>
急かされたタローは、<br/>
マーの姿を見失わないように歩みを速めた。<br/>
ギデアス入り口に近づいた時、マーが急にぴたりと止まった。<br/>
「見ろよ。きっとあいつらだ。」<br/>
ギデアスに小走りに急ぐ4人の人間が見えた。<br/>
人間達はその実力によって、身に纏える装備が変わる。<br/>
そこに見えた4人の出で立ちは、<br/>
明らかに闘技場に用事がある者のように見えた。<br/>
タローは目を凝らす。<br/>
と、タローは思わず息を呑んだ。<br/>
よくは見えないが、黒い装束を身につけている人間はシンに見えた。<br/>
「シ・・・！」<br/>
思わず、タローは叫びかけた。<br/>
マーが慌ててタローを後ろに引っ張った。<br/>
「ばか！ばれるだろぉ？」<br/>
「す、す、す、すまん。<br/>
　俺、くしゃみ、そう、くしゃみ出そうだった。」<br/>
「ったく・・・。あんな奴らに見つかったら、一発で殺されちまうぜ？<br/>
　気をつけろよな？」<br/>
「うむ。す、すまん。」<br/>
近くで見たわけじゃないけど、あれはシンだ。<br/>
ずっと一緒にいたのだから、違う人間と見間違うわけはない。<br/>
アメの時とは違う。<br/>
もう、人間も同じように見えていろいろいるのを知っている。<br/>
<br/>
　あれ、シン、きっとシン・・・ああ、俺・・・俺・・・<br/>
<br/>
とりあえず、確かめたかった。<br/>
マーについていきながら、こっそりパールを身につけた。<br/>
ギデアスについても、相変わらず歩きにくい場所を進んでいく。<br/>
マーは身軽にひょいひょいと進むが、タローはついて行くのが精一杯だ。<br/>
「タロー、はぐれないようについてこいよ。」<br/>
闘技場へは、ヤグードしか知らない道があるらしい。<br/>
神聖な場所だから、人間達は簡単に足を踏み入れられないようになっているが、<br/>
マーについて歩いていくと、茂みの中の隠し通路や、<br/>
岩場の陰でとても見つけられないような通路を通っていく。<br/>
一度ではその順路はとても覚えられそうにもない。<br/>
「マー、俺、おしっこ！」<br/>
タローを振り返り、マーはあきれたような声を出した。<br/>
「お前、もっと早く言えよ？<br/>
　このあたりならまだそこらでしてきていいから。」<br/>
「う、うん！」<br/>
タローは端にある少し大きめの茂みの陰に駆け込んだ。<br/>
アメに教えてもらったやり方でシンにtellを入れる。<br/>
「シン？俺、タロー！」<br/>
マーに聞こえないように、小さく話しかける。<br/>
「タロー？どうしました？」<br/>
シンが応答した。<br/>
「シン、ぶとかい、来たのか？<br/>
　シンの言ってた試合、やぐーど、ぶとかいか？」<br/>
「そうですが・・・？」<br/>
恐れていた事態が起こってしまった。<br/>
「シン・・・つよいよな？」<br/>
「タロー？」<br/>
「シン・・・しぬな！」<br/>
「タロー？何があったんです？」<br/>
シンの問いかけにはタローはもう答えなかった。<br/>
いつまでも、おしっこのふりもしていられない。<br/>
タローは急いでアメにtellを入れた。<br/>
「アメ！俺！シン、危険！」<br/>
それだけ急いで言うと、パールを外してしまい込んだ。<br/>
がさがさと茂みから出て行くと、マーに急かされた。<br/>
「早くしないと始まっちゃうぜ？」<br/>
「おぅ・・・！すまん、すまん、急ごう。」<br/>
<br/>
<br/>
<br/>
「タロー？」<br/>
前日、遅い時間までフワについていたアメはまだジュノのベッドの中にいた。<br/>
フワからいつ連絡が入ってもいいようにと、<br/>
この日は珍しくパールをつけたまま眠り込んだのだが、<br/>
飛び込んできたのは確かにタローの声だった。<br/>
眠い頭にも最後の言葉は残っている。<br/>
<br/>
　　　シン、危険！<br/>
<br/>
何だ？どういうことだ？と、アメは事態を把握しきれないでいた。<br/>
「タロー？お前タローだよな？返事しろ！」<br/>
確かめようと懸命に呼びかけるが、タローの返事はない。<br/>
ベッドに起き上がり、シンに話しかけてみることにする。<br/>
ふと、昨日フワの部屋から垣間見えたシンの姿が思い出される。<br/>
「よぉ！シン？うちだけど･･･」<br/>
「アメさん？」<br/>
シンは驚いたような声を出していた。<br/>
「シン？タローが変なtellよこしたんだ。今何してるんだ？」<br/>
「以前お話した、ウィンダスのミッションでギデアスにきていますが？」<br/>
「ああ、バルガの武闘会か。<br/>
　タローが、シンが危険だってtellよこしたんだ。何かあったのか？」<br/>
「危険？私にもタローからtellはありましたが・・・」<br/>
「うむ。そういえば前に変わった形式の武闘会だって聞いた事あったな？<br/>
　おかしいことがあったのか？」<br/>
シンは、仲間が始めから戦闘放棄の様子な事を伝えようか迷った。<br/>
「いえ、特には・・・」<br/>
「シン、何かあるのかもしれない。<br/>
　タローの声、切羽詰ってたぞ。」<br/>
「気をつけてヤグード達の様子を見てみることにします。」<br/>
「シン、タローはお前になんて言ってたんだ？」<br/>
「あ、別に大したことは・・・」<br/>
「シン？なんて言ってたんだ？」<br/>
「アメさん、私は大丈夫です。」<br/>
「シン？」<br/>
「タローは私に死ぬな、と言っていました。」<br/>
「死ぬな・・・だって？」<br/>
「私は負けません。大丈夫です。」<br/>
「シン、タローは何か知っているのかもしれない。<br/>
　油断するな！」<br/>
「はい、もとより慢心等ありません・・・<br/>
　もうすぐバルガの舞台に突入します。<br/>
　全て終わったら又連絡しますよ。」<br/>
「分かった。」<br/>
アメの心の中にいいようのない不安が広がった。<br/>
シンも、自分達の戦力に不安がある事を伝えなかったことが<br/>
よかったのかどうか分からなくなっていた。<br/>
シンは強いから、大丈夫さ・・・と心の中でつぶやきながら、<br/>
アメはLSで叫んでいた。<br/>
「誰かメアまで飛ばしてくれ！」<br/>
<br/>
朝から吹いている強い風は、強い日差しの中<br/>
昼になっても弱まることはなかった。<br/>

        ]]></content> 
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    <title>No.49　「話を聞かないタルタル」</title>  
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    <issued>2006-03-15T12:24:44+09:00</issued>  
    <modified>2006-03-15T12:49:08+09:00</modified>  
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      <name>yuo-yuon</name> 
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    <dc:subject>アメのヴァナディール</dc:subject>  
    <content type="html"><![CDATA[ 
この日も空は晴れていた。<br/>
ただ、日が昇る前から強い風が吹いていた。<br/>
草原の草や道端の小石交じりの砂を巻き上げる。<br/>
指定された試合の時刻の２時間ほど前。<br/>
集合場所である西サルタバルタにあるアウトポスト前には<br/>
ミッションに参加する面々がそれぞれに集まってきていた。<br/>
指定された試合時間は、日が一番高く昇った時。<br/>
影も短く、目のいいヤグード達には絶好の時間帯なのかもしれない。<br/>
<br/>
<br/>
パーティ戦ではないので、打ち合わせは必要ないが<br/>
共に試合に臨む同士、顔合わせの挨拶程度はしておこうと<br/>
今回の武闘会のまとめ役を買って出たエルヴァーンが全員に連絡していた。<br/>
白っぽい金色の短い髪をツンツンと尖らせていて、<br/>
特に前髪は針金のように天をついている。<br/>
快活そうな風貌と裏腹に丁寧な口調で、そのエルヴァーンは話し始めた。<br/>
「皆さん、どうも。私、Sutraと申します。<br/>
　ジョブは戦士をしております。<br/>
　緑豊かなウィンダスの代表として、お互いにがんばりましょう。<br/>
　宜しくお願いしますね。<br/>
　それでは、こちらから軽く自己紹介していただけるとうれしいのですが？」<br/>
そう言って、にこやかに自分の左隣にいたシンを見て頷いた。<br/>
「あ、はい。<br/>
　ジョブは忍者できました、シンと申します。<br/>
　宜しくお願いします。」<br/>
簡単に自己紹介をすると、シンの隣りのガルカが口を開く。<br/>
黒い髪と髭が顔を覆うに縁取っていて、<br/>
顔の脇の髪の毛は二本の角のように見える。<br/>
人懐っこそうにガハハ･･･と笑いながら<br/>
「ワシか？ワシも戦士だ！ああ、名はEkkiだ！以上！」<br/>
と、更に簡単に紹介を終えた。<br/>
もう一人ここにいたタルタルが神経質そうに3人の顔を見比べた。<br/>
長い緑色の髪を頭の上に筆先のようなちょんまげに結い上げている。<br/>
「ああ、ボクですね？ボク、Sonotaといいます。<br/>
　でも、自己紹介なんてどうでもいいんですよ。<br/>
　初めてこのミッション受けたんだけどさ、<br/>
　何？ボクだけ？ちゃんと敵の情報とか下調べしてたの。<br/>
　なんで、ボク以外皆前衛かな？」<br/>
その言葉を聞いて、逆に3人は驚きの表情でそのソノタを見下ろした。<br/>
まとめ役をしているストラが苦笑しながら尋ねた。<br/>
「ソノタさん、ジョブは？」<br/>
「え？白魔道士ですよ。必要でしょ？白魔道士。」<br/>
「いや、白魔道士でもいいんですがね。戦闘には自信ありますよね？」<br/>
「はぁ？何言ってんの？<br/>
　ボク、今日は回復に徹しますよ。<br/>
　でも、微塵とか、アストラルとか、ちゃんと凌いでよね。」<br/>
「いや、ソノタさん、同じミッション受けたんですよね？」<br/>
「バルガの武闘会への参加でしょ？」<br/>
頭を掻きながら、エッキも口を開いた。<br/>
「お主、指令内容の説明うけたじゃろ？」<br/>
「説明？だって、これバルガの武闘会だよね？」<br/>
シンも出来るだけ冷静に話した。<br/>
「いや、今回の試合内容がいつもと違うという説明ですよ。<br/>
　ガードから依頼を聞いた時に注意がありましたよね？」<br/>
「何か言ってたようだったけど、ボクは気にしなかったさ！<br/>
　全ては今までの戦闘分析のデータと<br/>
　完璧な構成がモノをいうんだからね！」<br/>
ソノタは自慢げに言い切った。<br/>
<br/>
場に冷たい沈黙が流れた。<br/>
3人の反応にソノタは首をかしげた。<br/>
「ん？何？何かだめ？」<br/>
苦笑いしながら、ストラは言った。<br/>
「あのー、ソノタさん。<br/>
　説明はちゃんと聞きましょうね。<br/>
　今回の試合形式は１対１。ガチ対決ですよ？」<br/>
それを聞いた時のソノタの顔といったら、<br/>
ヘクトアイズの目のように目を丸く見開いて、<br/>
モルボルよりもでかい口をあんぐりとあけていた。<br/>
「・・・・うそん・・・」<br/>
そして、シンとエッキの顔を交互に見つめた。<br/>
「も、もしかして、皆知ってる事？」<br/>
3人は一斉に頷いた。<br/>
急にソノタはおろおろしながら、爪をかじり始めた。<br/>
「えええええ<br/>
　ええええええ、どうしよ？<br/>
　ボク、行くの止めようかな？」<br/>
「白魔道士とて、戦えないわけではありません。<br/>
　自らを守りながら、相手が先に倒れるのを待てばいいのです。」<br/>
と、シンが慰めた。<br/>
「そう簡単に言うけどさぁ！<br/>
　ボク、格下相手としか戦闘したことないしねぇ？」<br/>
「4人いるんじゃ！3人勝てばいいことじゃ！気にするな！」<br/>
そう言ってエッキは又ガハハハと笑った。<br/>
ストラも時間を気にし始めた。<br/>
「とりあえず、今から別の戦士を探しに戻る時間もありません。<br/>
　それぞれの知り合いに連絡をとっても、ガードに事情を話したり<br/>
　手続きをする間に試合時間は過ぎてしまいます。」<br/>
<br/>
シンはふと、アメとラバオで会った時、いつでも手伝えるから<br/>
と言っていた事を思い出した。<br/>
<br/>
　しかし、アメさんは今はフワさんの側にいてあげたいでしょう・・・<br/>
<br/>
そう思い、すぐに思い出した事を打ち消した。<br/>
それに、アメに頼るということも何となく男としてのプライドが許さなかった。<br/>
ソノタはまだ爪を噛みながら、そわそわとしていた。<br/>
「ボク、いや、ボクの知り合いは大体ウィンダス出身なんだけどね。<br/>
　ボク、自信満々に出かけてきたから、<br/>
　今更勘違いしてたなんて、言えないわけよ。<br/>
　ボク、一応行くけどさ、<br/>
　とりあえず出来るなら誰か探してよ。」<br/>
「ワシはLSなど持たんしな？すぐに来られる奴など見当もつかんわ！」<br/>
そう言ってまた豪快に笑った。<br/>
「なーに、気にするな！ワシは負けん！」<br/>
「一体その自信、どこからくるんだか！」<br/>
エッキが大して気にかけていない事を、返って気に障ったのか<br/>
ソノタは忌々しそうに言葉を吐き捨てた。<br/>
「私はサンドリアからウィンダスに移籍した身ですので、<br/>
　当然ながら<br/>
　知り合いにはサンドリアのエルヴァーン族しかおりませんね。<br/>
　お役に立てなくて残念ですが？」<br/>
至極申し訳なさそうにストラは言った。<br/>
その言葉を受けて、ソノタはシンをじっと見つめた。<br/>
「君は？どうなの？知り合いいないの？」<br/>
シンは少し慌てて言った。<br/>
「あ、いや、LSの者は大体バストゥーク所属のものですが・・・」<br/>
そこまで聞いて、ストラは言葉を遮るように言った。<br/>
「とにかく、もうギデアスに向かいましょう。<br/>
　時間を指定されています。<br/>
　遅れたら、それこそ試合放棄とか言われかねません。」<br/>
<br/>
一同は頷いて、とりあえずギデアスに向かって走り出した。<br/>
シンの脇にソノタが近づいてきた。<br/>
「ねぇ、君。さっき何言いかけた？」<br/>
「あ、いや、特に何も・・・」<br/>
「ふぅん。本当は呼べる人いるんじゃないの？<br/>
　面倒がらずに呼んでよね？<br/>
　ボク、ランクアップしたいからキャンセルもしたくないしね。<br/>
　助っ人呼べるなら、何とかしといてねー。」<br/>
ソノタは言いたいことだけ言うと、すっとシンの側から離れていった。<br/>
<br/>
　
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